Category Archives: OSMF

Posts about organisation of the OpenStreetMap Foundation. Working groups, the board, and other entities, and how we structure our organisation

コミュニティ協議事項: OSMF戦略計画 第2稿

OSM財団理事会は、この3ヶ月間の作業のなかのひとつとして、OSMF戦略計画を改訂してきました。そしてこのたび、OSM財団会員、そしてOSMコミュニティからのフィードバックを得るため、理事会は書き直された計画をここに共有します。

戦略計画の最新版はこちらです。 あなたが感じたこと、考えたことを、ぜひコミュニティフォーラムメーリングリストで共有してください。

抜粋: 

以前のバージョンに対するみなさんのフィードバックは、現在の状況を形作るにあたり、極めて役に立ちました。この文書では多くの変更が見られます。  

  • 計画に前文を追加し、私たちの現在地と進むべき方向について全体像を示しました。
  • 計画は、OSMF理事会がその活動を組織する4つのクラスタ(技術インフラコミュニティ開発、制度開発、財務ガバナンス)を骨子としています。 
  • これらのクラスタにはそれぞれ目標が設定され、主要な行動についても言及されています。さらに重要な点として、OSMFのどの部門がその具体的な活動内容を模索し、実行に移す責任があるかが示されています。
  • 全体として、計画はより簡潔で明確なものとなり、OSMFの活動を理解するための確かな基礎となっていると考えています。

次の活動 

私たちは今後3週間、継続的にフィードバックを検討し、その後、9月中旬に予定されている会合で討議します。しかる後、フィードバックに基づいた追加修正を行い、2023年9月21日の9月理事会にて計画を正式に採択する予定です。

ぜひ、みなさんの考えをお聞かせください。そして、このプロセスに参加してくださるすべてのひとに感謝を!


The OpenStreetMap Foundation is a not-for-profit organisation, formed to support the OpenStreetMap Project. It is dedicated to encouraging the growth, development and distribution of free geospatial data for anyone to use and share. The OpenStreetMap Foundation owns and maintains the infrastructure of the OpenStreetMap project, is financially supported by membership fees and donations, and organises the annual, international State of the Map conference. Our volunteer Working Groups and small core staff work to support the OpenStreetMap project. Join the OpenStreetMap Foundation for just £15 a year or for free if you are an active OpenStreetMap contributor. You can make a gift to support the work of OpenStreetMap at supporting.openstreetmap.org

OpenStreetMap、誕生日おめでとう

OSMは19歳を迎えました — 私達はその歩みを支援するため、オンラインのファンドレイジングキャンペーンを開始します。

18年前、OSM創始者 Steve CoastさんはOpenStreetMapの最初の誕生日を一緒に祝おう、と呼びかけました。

2025年、OpenStreetMapの周辺は目まぐるしく変わってゆきました。World Summit on Free Information Infrastructures (WSFII, 自由な情報インフラのための世界サミット)のような会合や、オープンな地理データ創造キャンペーンガーディアン誌のような大メディアで取り上げられたこの報道など、オープンデータの潮流はより広範に、勢いを増してゆきました。 8月に開催された最初の誕生日の後、OSM.orgにおいてOSMのフロントエンドが公開されます。それから時を置かずして、”旧式で恐ろしほどのアレ“のかわりに、新しく”最新式の”アプレットが導入されます。

2006年にかけて、OSMerは世界中をマッピングして回りました:

OSM誕生日のこれまで

2014年にOpenStreetMapが10歳を迎えたとき、ロンドンのバー Strongroom で最初の誕生日イベントが開催されたときよりも、誕生日イベントの数は大きくその数を増やしました。実際、当時はそれらのパーティの位置を示した地図が作られたほどです。

OSM wikiの “誕生日/Birthday” セクションには、これまで開催されたOSM誕生日記念マッピングパーティの写真や注釈が、宝物のように眠っています。

もしOSMの19歳の誕生日を祝ってくれるかたがいらっしゃれば、ぜひその写真をシェアしてください 🎂

OSMの19歳の姿

OpenStreetMapは、オープンソースで、参加者の努力によって生成される地理空間プロジェクトとして、常に最大のものであり続けています。正式に設立された地域支部の数は5大陸中で18に渡り、 さらに数十のローカルコミュニティが、世界中のほぼすべての国で、50以上の言語による数百のコミュニティチャンネルで会話を交わし、共同作業を続けています。その地図とデータは、いまや世界的に認知された地理空間情報源となっています。APIは数百万人に利用され、コミュニティは意欲的で才に富み、文化的にも地理的にも多様性に満ちています。 OSMは昨年、プロジェクトの規模と影響範囲を考慮し、サイトの安定性に関わる初めて有給エンジニアを迎えました。

image credit: Kate Varfolomeyeva, 2023

2023年、OSMがコミュニティメンバーにとってどのような意味を持つかより深く知るために、OSMを愛する理由について聞いてみました。その答えの一部をご紹介します:

Image Credit: Kate Varfolomeyeva, 2023

いまこの時がOpenStreetMapにとっていかに重要な瞬間なのか、おわかりいただけるでしょうか。そのデータは世界で最も差し迫った課題を解決するために役立っており、地図作成を容易にする新しい技術があり、そして、それに取り組む熱意はかつて無いほど高まっています。

こうした課題と機会に対応するため、OSM財団理事会は、プロジェクト管理、エンジニアリング、フロントエンド開発などのスキルに戦略的に資金を提供し、多様で誰もが参加できる地図を育て上げるための奨励金やスポンサーシップを提供することで、拡大を続けるボランティアコミュニティを支援するための戦略的計画の策定に取り組んでいます。  

だからこそ今、OpenStreetMapのこれからを守るために、あなたの時間とお金を分け合ってください。

OSM誕生日のこの日、これから広がる未来への支援を

本日よりOSMFは、OSMの未来を支援するため、オンラインのファンドレイジングキャンペーンを開始します。みなさんに、これらのことをお願いしたいと考えています:

  1. OSMの誕生日について、寄付の呼びかけを添えてSNSへ投稿したり、シェアしたりしてください。誕生日を祝う活動の写真と共に、ハッシュタグ #HappyBirthdayOSM#WeAreOSM 、そして https://donate.openstreetmap.orgへのリンクを使ってください。
  2. OSMの未来のために、大小関わらず、あなたができるギフトを贈ってください。世界各国からの贈り物でOSMを支援することで、私たちのグローバル・コミュニティの強さと懐の深さを示すことができます。
  3. 地図の編集をしましょう! 🗺

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OpenStreetMapの未来にチカラを: OpenStreetMap Foundation サイト・リライアビリティ・エンジニアによる1年間の改善作業

. ちょうど1年前、私はOpenStreetMapを支えるテクノロジーとインフラの信頼性とセキュリティを強化することを目標に、OpenStreetMap Foundation (OSMF) に参加しました 。この1年間、私はボランタリの献身的なチームであるオペレーション・ワーキング・グループと密接に協力してきました。私たちは共に、作業プロセスや文書の改善において大きな進歩を遂げ、私達の集団としての有効性強化に到達することができました。私はグループによる支援とコラボレーションに極めて感謝しており、OpenStreetMapの未来のための強固な基盤を構築するため、私たちが実施しためざましい前進を目にできることを嬉しく思っています。

以下で、その内容について少し詳しく説明したいと思います。冗長性、監視、アクセス、およびドキュメンテーションの改善、タイルレンダリングのためのクラウドサービスの利用を拡大、AWSからの寛大なスポンサーの活用、セキュリティ対策の改善、開発環境の刷新を実施しました。

昨年の作業に関してより詳しい話を聞きたい方は、 State of the Map 2022での講演  とGeoMobポッドキャストでのインタビューをご覧ください。そして、みなさんからの連絡も大歓迎です。  osmfuture@firefishy.comまでメールをください。

2022〜2023年におけるサイト・リライアビリティの詳細

私達のサーバのソフトウェア管理

小規模なインフラコンポーネントのコンテナ化(GitHub Actions for building)

私は “Configuration as code” 設定の一環として、以前はchefコードベースの特別メソッドを使用して構築されていた、小規模なサイトの多くをコンテナ化しました。また、ビルドのステップをGithub Actionsに移動させました。今後のコンテナ(”docker”)ベースのプロジェクトに必要となる基盤を構築しました。これらは、OSMFインフラストラクチャでホストされる、私たちの最初のコンテナ/Dockerベースのプロジェクトです。

chefベースのコードは、よりシンプルに、より安全に、そしてより速くデプロイされるようになりました。

chefテストの改善(OPSオンボーディングドキュメンテーション)

. 私たちは、すべてのサーバーとその上で使われるソフトウェアのインフラ(構成)管理にchef.io を使用しています。昨年、chefテストのキッチンテストが拡張され、最新のApple Siliconマシンでも動作するようになりました。テストは現在、CI/PRプロセスの一部として確実に実行されています。テストを行うことで、私たちが行う構成変更に対し、品質管理と保証が加えられます。ARMサーバのハードウェアに移行する前にテストキッチンを使用することができたこともあり、ARMサポートの追加はより簡易になりました。

信頼できるテストがあれば、新しいchefのコントリビュータが参加しやすくなるはずです。

ネットワークインフラの強靭化

アムステルダムのネットワークアップグレード(新しいスイッチ、デュアルリダンダントリンク。ダブリンにも順次反映予定)

アムステルダムのネットワークはこれまで、冗長性を確保するべき箇所に対応できていませんでした。CiscoのSmall Business装置が使われ続けており、ハードウェアの問題で予期せぬ停電に見舞われたこともありました。 また、この機器は将来のアップグレード作業の足かせとなっていました。そこでオペレーショングループは、ダブリンのデータセンターで標準的に使用していたJuniper製のハードウェアに交換することを決定しました。ライブ環境でのダウンタイムを最小限に抑えながら(<)、機器を交換することができました。

ダブリンとアムステルダムの両データセンターでは、標準化された、よりセキュリティの高い構成が採用されています。各サーバーは、冗長性とパフォーマンスを向上させるため、完全に結合されたリンクを持つようになりました。スイッチは、電源とネットワークの冗長性が向上しています。来月には、完全な耐障害性のアップリンクの設置(発注済み)が予定されています。

両データセンターへの帯域外アクセス(4Gベース)

私は、各サイトに帯域外アクセス装置を構築し、設置しました。このデバイスは、シリアルコンソールを使ってネットワークと電源管理機器に直結されています。帯域外デバイスは、プライベート4Gネットワーク(1NCE)への弾力性のある4Gリンクを持っています。 帯域外アクセスデバイスは、冗長電源と4xシリアルコネクタを備えたカスタムメイドのRaspberry PIです。

メンテナンスを容易にするインフラストラクチャの文書化(ラック/電源)

データセンターの各ラックユニット、電源ポート(Power Distribution Unit)、ネットワーク接続、ケーブルをドキュメント化しました。これにより、サーバの管理が容易になり、ミスが減り、リモートハンド(外部サポートプロバイダー)に適切な指示を出すことができるようになり、私たちの代わりにチャンスを作ってくれるようになりました。

Oxidizedの利用(ネットワーク機器の可視化)

ネットワークや配電の設定をgitに保存し、変更点を報告するようにしました。これにより、変更の見通しが良くなり、セキュリティも向上しました。

構成は継続的に監視され、サイト間で構成がずれた場合でも、解決が容易になりました。

Terraform Infrastructure as Code(管理・再現性の向上)

TerraformはInfrastructure-as-Codeツールです。現在リモートモニタリングサービス(statuscake)の管理に使用しており、AWSとFastlyのインフラの管理にも導入する予定です。

以前は、これらのコンポーネントはすべて、それぞれのウェブUIを使用して手動で管理されていました。Infrastructure-as-Codeは、運用チームが共同で変更作業を行うことを可能にし、可視性を高め、変更の再現性やロールバック処置を容易にします。

私たちは、dnscontrolコードを使用して、すべてのドメインのDNSを管理しています。 CIテストを追加して外部との連携を強化するなど、昨年から少しずつ改良を加えています。

クラウドサービスの利用拡大

レンダリングインフラにAWSを使用。AWSのコストを最適化を実施。セキュリティの向上。バックアップの改善。さらなるパイプラインの追加。

オペレーションチームは、数年にわたりAWSの利用を徐々に増やしてきました。私は、AWSのベストプラクティスガイドラインに従って、請求管理とセキュリティを改善するために、AWS組織モデルを使用し、複数の用途別AWSアカウントを構築してきました。レンダリングインフラを拡張するために、AWSのスポンサーシップを惜しみなく獲得しました。私たちは、AWS Graviton2 EC2を使用して、ARMアーキテクチャを使用した実験的な新しいレンダリングインフラを構築しました。
これまでARMベースのサーバーを使用したことはありませんでした。chef(configuration as code)の改良の一環として、Apple Silicon(ARM)のローカルテストサポートを追加していましたが、ARMサーバーに必要な互換性をchefに追加するために必要なのはわずかな作業だけでした。

OSMタイルレンダリングスタックを実行するためのAWS Graviton2 EC2インスタンスのパフォーマンスには感銘を受けました。 また、AWSでレンダリングスタックをさらに改善するために、オンデマンドスケーリングとインスタンスのスナップショットをテストしました。
データバックアップ目的でのAWSの利用も増加しています。

セキュリティの向上

昨年、多くの一般的なセキュリティが改善されました。例: サーバーへのアクセスはsshキーで行うようになりました(パスワードによるアクセスは無効になりました)。また、運用チームが使用していたgpgベースの特注パスワードマネージャーから、gopass  (https://www.passwordstore.org/  の機能豊富なバージョン)に移行しました。gopassは、鍵の管理とパスワードストアの共有を改善します。

さらに、インストールされているコンポーネントを減らし、インラインアップデートを無効にし、XMLRPCアクセスを無効にすることで、WordPressインスタンスのロックダウンを強化しました。また、アクセス権を持つユーザーを減らし、使用されていないアクセス権を削除する作業も行っています。

改善を要する脆弱性に関し、主要な領域をドキュメント化(冗長性、セキュリティ、その他)

技術的な脆弱性についての文書化: 改善が必要な脆弱性の主要な領域(冗長性、セキュリティなど)に関する報告書を作成しています。この報告書をもとに、将来的に投資を集中し、リスクへの暴露をさらに減らしていく予定です。

開発者環境の刷新

新しい開発サーバ

昨年、すべての開発ユーザを新しい開発サーバへ移行させました。旧サーバーは耐用年数(~10年)を迎え、容量(CPUとストレージ)の限界に達していました。新しいサーバはアムステルダムのデータセンターに直接配送され、現地作業員によって物理的なラッキングが行われた後、私が作業を行い、すべてのユーザーとプロジェクトを移行しました。

Subversionの引退

私は昨年、 古いsvn.openstreetmap.org のコードリポジトリを引退させました。このコードリポジトリはプロジェクトの発足当初から使われており、プロジェクトにおけるコード開発の豊かな歴史が含まれていました。私は reposurgeon をカスタマイズした設定で使用し、 svn コードリポジトリを git に変換し、完全な貢献履歴を維持したまま、以前の貢献者(350人以上)をそれぞれの github や関連アカウントに正しくリンクするよう注意を払いました。 古いsvnのリンクは維持され、現在はgithubのアーカイブにリンクされています https://github.com/openstreetmap/svn-archive https://github.com/openstreetmap/svn-archive

フォーラムの移行

旧フォーラムの移行では、100万件の投稿と16年分の投稿をdiscourseに移行しました。 すべての投稿は、fluxbbのマークダウンからdiscourseのマークダウン記法に変換されました。すべてのアカウントを統合し、  認証をOpenStreetMap.org の”シングルサインオン”ベースの認証に変更しました。

すべての古いフォーラムのリンクは、ユーザー、カテゴリー(国など)、スレッドトピック、そして個々の投稿など、正しいコンテンツにリダイレクト(インポートされたものへのリンク)されました。

進捗、計画、資金状況の確認: 2023年6月OSMF理事会 遠隔対面会議

先週の土曜日、OSM財団理事会は今年2回目となる “screen to screen” ミーティングに参加しました。 私たちは、OpenStreetMapの使命と、すべての人に地図を無償で提供する財団のコアリソースを管理するためにメンバーから託された信頼を糧に、この取り組みに意欲を燃やしています。

私たち理事会がなぜこれほど力を注いでいるのか、そしてこれから何が始まるのかについて共有したいと思います。

screen to screenは、OSMFと私たち理事会の仕事の現状と方向性を一歩引いて評価するために繰り返し行われています。私たちは、新たなアプローチと戦略的計画プロセスの加速について大いに話し合いました。EUへの移転、技術スタッフの増員、EDの役割のような将来の潜在的ニーズ、地域コミュニティの支援など、最優先事項に関して現在進行中の作業を掘り下げました。私たちは、現在の財務状況と短期的に必要とされるリソースについて検討し、今年の予算計画を達成するために50万ポンドを集めるという資金調達計画を再確認しました。

進捗確認

. 私たちは、3月のscreen to screenで2023年のアジェンダ を設定してからの進捗状況を確認しました。これは重要な説明責任です。回答はまちまちでした。実際、多くのことが進んでいますが、遅れている部分もかなりあります。  これらはすべて、私たちの公開アクションアイテム管理用gitlabで確認することが可能です。私たちは3つの方法で効果に取り組むことを決意しました。第一に、どのタスクに優先順位をつけるか。第二に、チームワークです。他の理事とペアを組んでタスクに取り組むことで、負担を分かち合い、お互いのペースを保つことが可能となります。何より、一緒に仕事をする方が楽しく取り掛かれます。第三に、限界を明確に伝えることです。人生にはいろいろなことが起きます。ミーティングを欠席する場合、あるいは他の誰かに仕事を任せる必要がある場合、理事会に伝えることが最低限期待されます。

この点を把握するため、 理事会議事規則 が更新されます。

戦略計画

続いて、戦略計画プロセスに移ります。戦略計画は、OSM財団における日々の業務と意思決定のすべてを導き、調整するための包括的な文書となります。この時点で、戦略計画をオンラインのグローバルコミュニティ向けに翻訳することは難しく、もっとよりよいやり方がある可能性があることを認識しました。理事会からのフィードバックと、ファシリテーターであるAllen Gunn氏の賢明な指導により、私たちは、あらゆる戦術の可能性を議論するのではなく、一般的な目標を明確に伝え、計画の各セクションの動機をより明確に説明するよう、計画のプロセスを方向転換しています。また、私たちは、この計画が生きた文書であるべきであり、今後数年の間に出現する進展に容易に対応できるようにすべきであることに合意しました。私たちは、今後 2ヶ月以内に計画を完成させるべく、草案作成、協議、最終決定のプロセスを加速させています。近日中に詳細を発表する予定です。

戦略的成長

戦略的成長のためにscreenで議論した具体的な戦術には、主要なものがいくつかあります。システム管理者を1人チームに加えることによって、チームのカバー範囲を広げ、インフラの堅牢性を加速させます。  OSM.orgのコーディングプロジェクトをプロジェクト管理する有給の役割に従事することで、マッパーのニーズと開発イノベーションを解き放ちます。ベクトルタイルのインフラを立ち上げることで、多様なマッパーのレンダリングニーズに柔軟に対応します。OSMFのインフラとOSMデータの利用を支える広範なOSMソフトウェアエコシステムに、エンジニアリングコミュニティ開発と助成金を通じて投資します。理事会が設定した戦略をサポートするために、OSMFの執行役員の役割の範囲と適性を調査します。

資金調達

増大するニーズに対応するためには、リソースが必要です。私達はOSMFの財政の調査に時間を費やしました。ここ数年、OSMFはOSMデータの作成と利用に対する要求の高まりに対応するため、その債務が拡大してきました。今年の財務管理戦略は、雨の日に備えて蓄えを残し、収支を均衡させることです。そして今後数年間は、戦略的な成長分野に目を向けながら、非常に的を絞ったスタッフ、インフラ、コミュニティへの投資で成長を維持するために、慎重かつ思慮深く成長するための資金を持ちたいと考えています。それを維持するのに必要な資金があるという確信がないまま、債務の増大にコミットするつもりはありません。

これまでOSMFは、技術インフラに最も多くのリソースを費やしてきました。シニア・サイト・リライアビリティ・エンジニアとiDメインテナーによる献身的なスタッフ・サポートも加わりました。その結果、システムはより安定し、堅牢になり、マッピングツールもより利用しやすくなりました。今年度の予算は、インフラ投資、スタッフ、運営諸経費、予備費を合わせて681,000GBPです。 法人および個人会員からの通常収入との差額は521,000GBP。私たちはこれを資金調達キャンペーン、および”会費” https://join.osmfoundation.org/ の目標として再確認しました。

地図は誰でも無償で編集できますが、無料で作成が可能であることを意味していません。OSMは会費、ギフト、スポンサーシップという形の寄付によって運営されています。 screen to screenでは、数週間前にSotM US、SotM France、SotM Balticsで行われたファンドレイジング・キャンペーンについての素晴らしい会話を振り返りました。私たちは多様な情報源を活用することで資金調達にアプローチしようとしています。これは通常、企業会員と契約して彼らから資金を募ったり、OSMコミュニティや自由でオープンな地図を支持する幅広いインターネットから寄付を募ったりすることを意味します。今年もこの2つを行うとともに、公的資金や民間の慈善事業における他の機会についても調査しています。私たちは7月に個人や団体にお願いにまわる準備を進めています。寄付者として、あるいはあなたのコミュニティでキャンペーンを推進する大使として、私たちはあなたの助けを必要としています。

皆様のご意見をお待ちしております!

OSMF理事会、2023年の最初の3分の1を振り返って

. 理事会メンバーは当年の初めに、私達のこれからの展望について考えをまとめました。それから4ヶ月が経過した今、振り返り、評価すべきことがたくさんでてきました。ここでは、私達一人ひとりの声で、何が起こったのか、これから何が待ち受けているのか、そしてそれらについてどう感じているのかについて、考えを述べたいと思います。

OSMFの活動へのご意見・ご感想をお待ちしております。 直接お問い合わせいただくか、 OSMF会員であれば毎月実施している 月例理事ミーティングにご参加ください。

Arnalie

この新しい役割に就くということは、私にとってはゆっくりとした学びのプロセスでした。最初の3ヶ月はまだ学んでいる最中で、何の仕事もできませんでした(さらに健康上の問題もありました)。新役員の就任プロセスの改善に貢献し、半年または1年ごとの振り返りをOSM Diaryで共有したいと思います。とはいえ、私の優先順位は変わらず、コミュニティの発展とOSMプロジェクトの維持のために、共に働く同僚たちの仕事をサポートしたいと思っています。

より多くの地域支部の設立(Q2優先事項)

  • 地域支部の申請と手続きに関する提案書を作成し、5月末から6月初旬頃までにコミュニティと共有し、フィードバックを得たいと考えています。
  • 地域支部の候補と何度かチャットしました(もしこれを読んで興味を持たれた方は 私までご連絡をお願いします!)
  • また、現在承認されている地域支部との関係も強化したい(LCCWGと調査・協議を行う予定)ですし、地域支部の年次報告についてもまとめ、共有したいです。
  • OSMFワーキンググループのメンバーを含む、OSMF会員の多様化(Q3での優先事項)
  • 財政的な持続可能性と効果的な資金調達の確保
    • 支援的な立場ではありますが、特にアジア地域での資金調達活動の多様化に貢献したい

Craig
理事会における仕事は、効果的に働くために必要なすべてのスキルを身につけるための急な学習曲線からスタートします。次回の役員選挙の前に、理事就任の手続きをアップグレードすることで、より多くのことを得られるでしょう。私のリストにも入れています!

私の主な仕事は、OSMF戦略プランの立案です。Allan Mustardさん、Sarah Hoffmannさんと私という小さなチームで、2021年からの計画を修正・再構築し、10ヶ国語に翻訳し、現在、計画におけるコミュニティ開発部分について広くOSMユーザのコメントを募るキャンペーンを実施しています。

私は、OSMを国連のデジタル公共財の登録に参加させるための、非常に完了的な登録手続きを完了させようとしています。また、OSMFがフルタイムの執行役員を任命するべきかどうかも研究しています。ディスカッション・ペーパーの作成は進んでいますが、まだ発表の段階には至っていません。

また、OSMFが保有する非常に重要かつ複雑な技術面について、多くの情報源から学ぶことに特に力を注いでいます。オペレーションの打ち合わせに参加し、小さなチームで何がなされているかを確認することで、理事の立場から彼らの活動を支援するために必要な事柄を見つけ出そうとしています。

Guillaume

Guillaumeさんは家庭の事情で忙しく、現在OpenStreetMapに参加できていないことを深く反省しています。

Mateusz

メールの返信を準備したり、議論や打ち合わせに参加したりと、様々な細かい活動をしながら、OSMFJの理事がどのように機能しているかを学んでいます。特に戦略的な会議計画やOSMFの選挙で説笑みしたような問題で、今後数ヶ月でより多くのことを達成したいと思っています。特にOverture Foundation/Linux Foundationが公開したデータに関する4月のライセンス問題が解決したことを嬉しく思っています。

Mikel

特に濃密で、生産的でした。OSMFにおける資金調達の優先順位を決め、そのための資金調達担当者を迎え入れ、  そのための資金調達担当者を迎え入れ、資金調達とOSMFの使命や価値観を一致させるためのガイドラインを起草しました。ファンドレイジングはまだまだこれからです。また、理事会のために、コミュニティや組織とのコミュニケーションに多くの時間を費やし、アドバイザリーボード(諮問委員会)を再開させました。特に、OvertureやMap Builderなどの複雑さを理解することに特に興味をいだいています。OSMFの位置づけもよく、良い方向に向かっていると考えています。  最後に、Screen 2 Screen は、目の前にあるすべての仕事を方向付け、それを一本の糸でつなぎ合わせるためにとても有益だったと思います。大変であり、私にとって興奮すると同時に気が遠くなるような気がしないとは言えませんが、私達はそれをやり遂げるための適切な体制を整えています。

Roland

現在のところ、資金調達という課題が明確になっています。OSMFはハードウェアやランニングコストが必要となる規模になり、さらに、最も重要な課題として職員の雇用の問題もあります。これまでは年間約 200,000GBP(あるいはEURかUSD)の収入がありましたが、今後は700,000GBP(あるいはEURかUSD)の予算が必要となることが予想されています。貯蓄があるため緊急度はまだ高くありませんが、本当に大切なことです。

従って、ファンドレイザーとの協業を開始したことは正しい判断です。寄付収入は現在、ほぼ米国中心となっています。歴史的に、収入のほとんどが米国に由来しているため、予想の範囲内ではありますが、資金確保と多様化の正面で、米国以外からの一定程度の貢献が望まれることから、これは課題でもあります。

Sarah

スタートが遅かった分、この2ヶ月で役員会の仕事はかなり激しい動きとなりました。Overture foundationの登場は予定外の出来事で、間違いなく理事会の優先順位に影響を与えました。OSMFの財務状況整理が本格化しています。予算、資金調達やファンドレイジングの方法などについて、実りある議論ができました。その中で何度も出てきたのが、現在ペンディングされているEUへの加盟によってOSMFの協力の場が広がるということです。これは次の四半期の私の優先事項となっています。  戦略計画の更新作業 では、OSMの将来についてコミュニティのかなりのメンバーと話す機会を得ましたが、私はさらに多くの声を聞きたいと考えています。次はマルセイユで開催されるState of the Map Franceでディスカッションセッションを開催する予定です。

OpenStreetMap財団における資金調達のための倫理ガイドライン

2023年、私達OpenStreetMapは、素晴らしいマッピングコミュニティを支えるコアサービスの維持と成長に資金を提供するためのキャンペーンを控えています。これは非常に重要なことであるため、OSMF理事会はマッピングキャンペーンの開催について協議し、有償の支援を受けることを決定しました。 この大きな歩みでは、OSMFの使命と価値観に沿った高い倫理基準で歩を進めることが不可欠です。

理事会は資金調達ガイドラインの草案を作成しました。 そして、作成された資金調達ガイドライン についてコミュニティから意見を公募したいと考えています。観念的なレベルでは、資金調達は以下の主要なポイントによって導かれます。

  • 募金はOSMFの使命を支援するために実施される。
  • 寄付者の希望と意向を尊重しつつ、コミュニティの価値観を守る。
  • 私たちのコミュニケーションは、高水準の誠実さと透明性を遵守する。
  • 募金活動においては、多様なOSMコミュニティの協力と包摂を最も重要とする。
  • 募金活動は効果的に実施・管理する。
  • 私たちのガイドラインは、明確なポリシーに支えられる。

内容を熟読いただき、ご意見がありましたら、フォーラム、コメント欄、または直接理事会までお寄せください。

地域支部会合 – 2022年はバーチャルと対面で実施!

By: Local Chapters & Communities Working Group (LCCWG) 

地域支部およびコミュニティワーキンググループ(LCCWG)は年に一度、対面とバーチャルで地域支部会合(Local Chapters Congress)を開催することを試みています。やんごとなき理由により、2020年と2021年のイベントはバーチャルのみで開催されることとなりました。しかし2022年には、対面とバーチャル、その両方を実現することができました! この記事では、バーチャルと対面、両方の会合について説明します。

State of the Map フィレンツェ – リアルでの対面ミーティング!

8月19日、フィレンツェで開催されたState of the Mapで、LCCWGは対面式(ィヤッホウ!)のミニ会合を開催しました。 もし見逃しているかたは、この実りある楽しい議論から生まれたアイデアをぜひ御覧ください。2023年後半に開催される次回セッションへの参加を検討いただければ幸いです!

セッションは大陸ごとに分かれて始まりましたが、すべての大陸グループに参加者が集まっていました! 同じ地域でも、知らない人が数多くいることがわかりました。  

次に、Allan Mustard、Tobias Knerr、Jean-Marc Liotierが、OpenStreetMap財団の視点から見た地域支部の役割について話をしました。 

そして、参加者には2色の付箋紙が配布され、自分のコミュニティでうまく行ったことや、直面した課題を共有してもらいました。多くの素晴らしい回答があり、多くの共通点が見いだされました。

コミュニティを集めることに成功している地域

組織を設立するかどうか、という観点では、特定のトピックに関する専用のチャットルームを保持することが大事である、というグループがありました。また逆に、組織としての諸々はCollabora、LibreOffice、LimeSurveyなどのオープンソースソフトウェアに移行するほうがシンプルだ、と感じたグループもありました。また、多くのグループが自治体と連携し、State of the Mapのようなローカルイベントを開催することに成功していました。その他に見いだされた共通項では、コミュニティ形成と地図プロジェクトの存在がありました。世界各地のコミュニティでは、人間関係の構築、他コミュニティとの協力、定期的な非公式ミーティングの開催に重点を置くことで、より成功を収めているようです。参加者は皆、自分たちの空間をオープンで居心地のよいものにしようと努力しています。  

OSMデータを最新の状態に保つために、コミュニティが自治体と連携することもよくあることです。例えば、Covid対応に必要となる健康インフラのマッピング、建物や住所のマッピング、地図編集に使われる地図メモのフォローアップ、新しいマッパーが自分たちで編集活動を始める、などの活動が、地図編集プロジェクトのためのパートナーシップにつながることがままあるようです。  

コミュニティを組織することの難しさ

もう一つの付箋には、コミュニティが直面した困難が記されていました。一般的なテーマは成長期の苦しみ、つまり、どうやって始めるのか、小さなグループからどうやって正式な組織に変わってゆくのか、地域支部としてコミュニティが取り組むべき新しい目標をどうやって見つけるか、地域によってはボランティア活動をすること自体が難しい地域もありました。また、長く活動してくれるひとを確保することが難しい地域もあります。

そして共通の話題として、地域でグループを維持することに伴う制度的・財政的な課題がありました。組織の資金繰りをどうするのか、商業活動をどのように扱うのか、私達のセッションでは、地域支部による有償マッピングの限界点、非公式なグループから公式な活動への移行に伴う成長痛、地域支部になるための手続き、またボランティアとして外部からの依頼対応や運営を行うには相当の時間が必要となるケースについて議論されました。  

その他、オープンなチャンネルとクローズドなチャンネル(WhatsAppのように、既に多くの人が集まっているチャンネル)をどのように使い分けるか、多すぎるチャンネルの課題、グローバルイベントに参加するためのビザ取得、低所得国におけるボランティアの増加、Covid後の再集合などの課題がありました。

また、こと地図編集については、支部はさらに多くの関心を寄せています! しかし地域によっては、ボランティアのインセンティブ設計や適切なインターネット接続などリソースの不足が障壁となっています。また、共通のマッピング目標を達成するために、同じ方向を向いている人を集めたり、どのマッピングツールを使うかを決めたりすることも大変です。確かにOpenStreetMapを改善できるような質の高いオープンデータも増えてきています。しかし、それらを活用するのはとても大変なことです。

地域支部会合 – オンラインでのコミュニティ対話

2022年11月12日、世界のOSMコミュニティが第3回となるバーチャルな地域支部・コミュニティ会合2022に集いました。様々なOSMコミュニティのリーダーやメンバーが、OSM財団の公式な地域支部もOSMマッパーの一般的なユーザーグループも、共に話題を共有し、互いに学び合いました。

ライトニングトーク、LCCWGメンバーによるプレゼン、そしてたくさんの素晴らしい議論が交わされました。OSMイタリアは、フィレンツェで行われたSotMについて楽しいビデオを発表しました。Adrés Gómezはコロンビアのコミュニティがどのように大量の地図メモ(Notes)をうまく処理しているか、そしてプロジェクトがどのように他国に広がっているかについて話をしてくれました。Janet Chapmanは、Crowd2Map Tanzaniaに関する話題を提供しました。そして、community.openstreetmap.orgにある新しいDiscourceフォーラムについての議論を行いました。 最後に、世界中の多くのコミュニティからの話題を共有しました。

アジェンダの全容はWikiにまとめられており、当日のプレゼンテーションはYoutube   のプレイリストに残っています。 


The OpenStreetMap Foundation is a not-for-profit organisation, formed to support the OpenStreetMap Project. It is dedicated to encouraging the growth, development and distribution of free geospatial data for anyone to use and share. The OpenStreetMap Foundation owns and maintains the infrastructure of the OpenStreetMap project, is financially supported by membership fees and donations, and organises the annual, international State of the Map conference. Our volunteer Working Groups and small core staff work to support the OpenStreetMap project. Join the OpenStreetMap Foundation for just £15 a year or for free if you are an active OpenStreetMap contributor.

初のプラチナ法人会員としてTomTom社が参加

この度、当財団初のプラチナ会員としてTomTom社が入会されたことをお知らせします。いただいた寄付金は、私達の運営とインフラへの重要な直接的財政支援となり、世界最大のクラウドソーシングによる地理空間プロジェクトの成長にを長期的に支え、持続可能とするための資金として使われます。 この寄付は、世界最大のクラウドソーシングによる地理空間プロジェクトの成長に伴い、長期的な持続可能性を確保するために不可欠な、我々の運営とインフラへの重要な直接的財政支援となります。

OpenStreetMapの参加者は、作成されたオープンな地図データが広く役立ち、利用されることに期待を寄せています。TomTomのユーザ基盤を通じて、さらに多くの人々がOpenStreetMapのデータに接し、そして、その中から私達のコミュニティに興味を持って、さらによりよいものとするために参加してくれるかたが現れるかもしれません。自分の身の回りに関する地図上の小さな問題を解決するためであっても、生涯をかけて地図に情熱を注ぐようになるための第一歩であっても、そうした参加や貢献はすべて大歓迎です。

TomTom社がOpenStreetMapを幅広く支援してくれていることに感謝します。TomTom社は金銭的な貢献だけでなく、ワーキンググループやアドバイザリーボード(諮問委員会)、地域のOpenStreetMapコミュニティに対しても積極的に参加をいただいています。TomTom社がOpenStreetMapのデータの重要性を認識したことは、私達のプロジェクトが提供する価値を証明するものです。これを端緒として、他の企業パートナーもぜひメンバーとして参加し、OpenStreetMapを支援していただけることを願っています。

TomTom社からの詳しい発表内容はこちらを参照ください。

データモデルに関する意見募集

データモデル研究

OpenStreetMap Foundationのエンジニアリングワーキンググループ(EWG)は2022年の初頭、既存のデータモデルをどのように改善するかについての調査を発注しました。 Jochen Topf氏は、OpenStreetMapのデータモデルをより計算効率がよく、よりアクセスしやすくする方法に関する提案を含む、この研究の結果を提供しました。

研究結果では、2つの重要な提案が成されています。

  • ポリゴンを表現するためのareaデータ型の導入
  • タグ無しノードの削除

コミュニティでの協議

このプロセスの次の段階を決定するにあたって、私達は開発者のコミュニティとより多くの議論を行いたいと考えています。なぜなら、提案された変更は、直接または間接的にデータモデルに依存しているOpenStreetMapソフトウェアに影響を与えるからです。

潜在的な利点

エリアの複雑さの低減

OSMにはまだAreaデータ型が存在しないと聞いて、驚くマッパーもいるかもしれません。iDエディタにはポイント、ライン、エリアを描くためのボタンが用意されています。マッピングをすると、期待通りの形状がマップに表示されます。OSM wikiでは、それぞれのタグが通常、エリアに使用されるかどうかを文書化していますし、Overpass Turboでもクエリでエリアを指定することができます。

しかしこれらのエリアは、裏側ではウェイやリレーションとして表現されています。OSMデータを扱うそれぞれのツールは、特定のウェイがラインを表すのか、エリアを表すのか、独自のルールを使って推測しています。エリアをOSMデータモデルの適切な一部にすることで、アプリケーション間で一貫した解釈が可能になり、壊れたエリアデータがアップロードされるのを防ぐAPIが実現可能になり、最終的には非常に大きなエリアの部分ダウンロードのサポートにつながるかもしれません。

OSMデータの処理容易化

現在、ウェイは複数のノードへのリファレンスで構成されており、これらリファレンスの状態を確認することによって、ウェイ同士がどのように接続されているかを決定しています。これらノードへのリファレンスによる座標解決は、OpenStreetMapのツールチェーンを用いた場合、高性能なハードウェアであっても数時間から数日かかるため、コストの高い処理となっています。

将来的に、私達はウェイを緯度経度の単純なリストとしてモデル化するかもしれません – ただしこれは、最終的に行われる実装によります。これは大きなパフォーマンス上の利点をもたらしますが、タグなしノードの削減は重要な変更となります。

一見しただけでは、性能の向上があまり見込めないように思えるかもしれません。しかし、私達のデータを容易に扱えるようにすることは、OpenStreetMapが世界全体にとっていかに有用であるかに直接影響します。Jochen氏の観察によれば、「この目的は、OSMデータを使うにあたって数十億ドル規模の企業だけでなく、ノートブックで世界地図を作りたい学生や、寄付された中古のコンピュータを持つ活動家も利用できる素晴らしいリソースとしてあり続けることができるようにすることにあります」

よりよい履歴情報の提供

ウェブサイトの履歴タブで実際に表示できるものがいかに少ないかに気がついた時、多くのマッパーは残念さを感じます。OSMChaやAchaviのような多くのツールがありますが、それらを使うにはある程度の熟練が必要です。

これはなぜなのか、と問われるかもしれませんが、答えは非常に技術的なものです。ウェイを表現するバージョンでは、多くの場合、座標情報が管理されていません。変更内容のトラッキングが比較的初心者にとっつきにくいツールで、専門的な分野にとどまっているのはこのためです。データモデルを変更することで、この障壁から開放され、より優れたツールの開発がきたいできるようになりますが、ウェイのバージョンと座標情報を適切に取得できるようになるまで、それは実現しえません。

分単位でのベクトルタイル生成

現在、ベクトルタイル生成には多くの成熟したツールが存在していますが、まだいくつかの課題が残っています。

  • ひとつは、openstreetmap.orgのためのベクトルタイルにどの機能を入れるか。
  • もうひとつは、許容できるレベルのベクトルタイルのパフォーマンスと、分単位での更新をどのように調和させるか。

もしタイルの生成を本当に並列化できるだけではなく、変更されたウェイがどのタイルに含まれるかを見つけ出すという、コストの高い最初のステップを省略することができれば、この作業は一段と簡単になります。

また、その処理のために必要となるコンピュータパワーをカプセル化する方法を開発できる人を見つけられるかもしれません。ただしその場合でも、これはそのパートナーへ依存度としては極めて望ましくありません。

つまり、データモデルの変更を行わなかった場合、openstreetmap.orgで分単位の変更を行うベクタータイルの実現は、可能ではありますが非常にコストが高く、特別なハードウェアが必要となります。

未来に声を上げよう

今後、何かしらの変化は避けることができません。OSMデータベースの成長速度はハードウェアの高速化スピードを上回っていますし、IDベースのデータモデルではすべての処理を並列化して高速化することが不可能です。変化に対するこれまでの対応は簡単でしたが、これからはさらなる工夫が必要です。将来的には、分単位での変更に対応するための特別なハードウェアが必要になるかもしれません。

しかしながら、この課題に対しては様々な対応方法が考えられます。今こそ、開発者コミュニティで意見を出し合うチャンスです。


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OSM.orgへのコミュニティタブ追加のご紹介

OSMコミュニティを発見し、つながるための新しい方法が増えました。

OSM.org の右上に “コミュニティ” タブが追加され、正式な地域支部とその他OSMコミュニティの一覧を表示する単一ページにリンクされています。 多くのOSMコミュニティが存在しており、OSMが急速に成長していることを考えると、それぞれのコミュニティにコンタクトをとるための目立つ方法を追加するにはよい時期であると言えるでしょう。

LCCWGメンバーのJoost Schouppeさんによれば、この新しいタブは、「おそらくosm.orgで地図メモ機能が追加されて以来、最も目につく変更」とのことです。

新しい “コミュニティ” ページに移動すると、地域支部の一覧データが OSM Community Index (OCI) を介して動的に配信されていることがわかります。 実のところ、このプロジェクトで最も難しかったのは、単に地域支部の一覧を静的コンテンツとして追加するのではなく、OCIデータをページに統合する方法を見出すことでした。「OCIを介することで、新しい支部が追加されたときに自動的に更新されますし、すでにサポートしている46の言語から支部名の翻訳をすべて再利用できるのです」と、ウェブサイトの管理者であるAndy Allanさんは述べています。   

今のところ、あまり公式化されていない他のコミュニティをすべて動的に把握する方法はありませんが、「その他のグループ」のセクションを追加することで、その存在を強調し、より多くの情報への道筋を示すことができるでしょう。  

LCCWGのメンバーで、このプロジェクトにも参加したAdam Hoyleさんは、「これはまだスタート地点に過ぎません」と言います。  「理想は、人々やコミュニティがお互いを見つけるための、より優れた集中型ページに成長させることです」と述べています。 

地域支部の一覧を表示することは、基礎となる様々な技術的課題が解決された今、実現可能な事柄の表面を削ったに過ぎません。 例えば、新しいマッパーが自分の活動地域をプロフィールに設定すると、地域フォーラムやマッピンググループの一覧が表示され、自分の活動場所に合わせたコミュニケーションチャネルがすぐに個人ダッシュボードに表示されるようになります。 

“コミュニティ”のページをさらに改善するためには、ボランティアの協力が不可欠です。 「このコミュニティ情報はすでにOCIの中にあるものです。なので、あとはこの統合活動を拡充してくれる人が必要です」とAllanさんは述べています。Schouppeさんは、「この課題は2020年10月からLCCWGの議題になっており、Adamさんは2021年1月に作業を開始しました。私たちは皆ボランティアなので、osm.orgのウェブサイトを進化させるには多くの時間と労力が必要ですが、この作業が実現可能であることを示しています」と述べます。

→ OSM.org の開発に参加するには、メインの作業場所となる Github 、そしてぜひこの issue を御覧ください。Issueでは多くの既存の pull request が表示され、どのように貢献するかのアイデアが示されています。

→ 地域コミュニティの成長を支援するLCCWGの活動をサポートするには、LCCWGのチャンネルに参加してみてください。

 忍耐強く作業を進めてくれたAdam Hoyleさんに感謝の意を表します。  時間がかかったとはいえ、これにより、技術的な基盤が整備され、将来の作業への礎を築くことができました。さらに、OCIチームの協力によって行われたOCI側の構成変更によって、  翻訳された文章を簡単に扱えるようになっています。-Andy Allan


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