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OpenStreetMap Foundation理事による2024年の展望

2024年は早くも駆け足で進んでいます。新しいOSMF理事会は、重点分野に熱心に取り組み、戦略計画の実施に努めています。 2023年の “伝統 “に続き、各理事から今年の取り組みについて簡単にご紹介します。

皆さまのご意見やご参加をお待ちしています。直接お問い合わせいただくか、OSMFメンバーの方は月例の理事会にご参加ください。

Arnalie

昨年は私にとって早すぎる一年でした。健康上の課題があり、理事として誇れるほどの実績を残せませんでした。しかし、成功と失敗の両面から学ぶ機会となりました!

今年は引き続き、OpenStreetMapコミュニティの拡大と多様化に尽力します。具体的には以下の取り組みを行います。

  • 地域支部の設立支援
    • 昨年は地域支部のページを改訂し、資格要件と必要書類を明確化しました。また、LCCWG(地域支部およびコミュニティワーキンググループ)が主導的役割を果たし、新規申請の審査と地域コミュニティへの働きかけを行いました。
      • 今年は、特に地域部会のない地域で1〜3の新規部会を設立できるよう努めます。新理事のDaniとともに取り組みます。
      • 地域部会の詳細と申請方法:  https://osmfoundation.org/wiki/Local_Chapters
  • OSMFメンバーの増加と多様性の確保
    • 年の前半に、ボランティアチームとコミュニティリーダーと協力してメンバー募集キャンペーンを実施
    • OSMFワーキンググループの目標、プロセス、運営などを見直し、ワーキンググループへの参加を促す基盤を整備
    • アクティブコントリビュータメンバーシップの申請要件を見直し、対象者に適したものとする
    • 理事会でコミュニティプロジェクトの発表を行い、地域コミュニティへの露出を高める
    • 目的と構成の適正性を確認し、多様性とインクルージョン委員会を再活性化
  • 地域およびナショナルレベルのState of the Mapの支援
  • 様々なイベント・カンファレンスでOSMFを代表し、オープンコミュニティへの認知向上と現地コミュニティの声に耳を傾ける

詳細は私のOSM日記をご覧ください:  community in the map and at the table: my first year and continuing plans as OSMF board member

コミュニティについてご相談がありましたら、arnalie [at] osmfoundation [dot] orgまでお問い合わせいただくか、(https://www.openstreetmap.org/user/arnalielsewhere)からメッセージをお送りください。

Craig

理事就任当初は、OSMFの内部事情を全く知らず、外部から見えていた問題点の改善に注力していました。しかし今では事務局長と財務委員会の委員長を務め、財団の運営に影響する内部問題の解決に重点を置くようになりました。現在は、システムの改善に尽力し、OSMFが今後10年間でどのように発展していくべきかについて、明確な展望を示すよう努力しています。財団を大きくすることよりも、現在の業務を効率的に行い、財団の改善が広く認知されるよう心がけています。

Dani

OpenStreetMap財団の理事会のメンバーとしてこの旅に参加できることを、光栄に思うとともに感謝の念に堪えません。このダイナミックで影響力のあるコミュニティに貢献できる機会は、私にとって畏れ多いものでありながらも、胸が高鳴る思いです。この役割に就くにあたり、私にはまだ学ばなければならないことが多くありますが、コミュニティメンバーの皆さまから豊富な知識と経験を得られることを心待ちにしています。今年の主な目標は、コミュニティ内のさらなる団結を図り、我々のプログラムを継続的に実施できるよう資金調達を強化し、OpenStreetMapコミュニティの全メンバーに対する献身的な連絡係を務めることです。 この目標に向けて、私は謙虚さと決意を持って取り組む所存です。協力とインクルーシブな姿勢こそが私たちの成功の鍵であると理解しているからです。このエネルギッシュなコミュニティに身を投じ、有意義な絆を結び、オープンマッピングによる人々の力強い活動を支援するという私たちの共通のビジョンに向けて、皆さまと共に邁進していくことを心より楽しみにしています。

Guillaume

2024年はOSMFにとって転機の年となります。理事長として、これから控えている大きな変更が円滑に進むよう尽力します。

最も重要な変更点は、ベクトルタイルの導入です。プロジェクトの進捗状況に合わせて、年間を通して毎月ブログで報告していく予定です。  すでに最初の記事は公開 されており、 Paulさんのデモも体験できます。

EU への移転も 興味深い変化となるでしょう。Brexitの影響で英国での活動が困難になったため、移転作業は多大な労力を要しますが、避けられません。ルクセンブルクの当局者との協議は有望でしたが、ベルギーも検討しています。ビジネス環境の良さ、コミュニティの存在、OpenStreetMapの利用状況、財政的・非財政的インセンティブなどを総合的に勘案します。

今年は、 新しい予算システムの下で初めての運営となります。この新システムにより、すべての支出を予算に容易に関連付けられるようになりました。つまり、寄付金がどのように使われているかを明確に示せるようになり、単なる数字やスプレッドシートを超えて、信頼と説明責任を果たせるようになります。この仕組みは、私が財務担当理事を務めていた頃から準備を重ねてきたものです。これにより、より効果的な資金調達が可能になるでしょう。

実際、資金調達は私たちが目標達成のために取り組まなければならない重要な分野です。最大級のOSMデータ利用者の中には、まったく寄付をしていない企業もあります。これまでは主に大手テクノロジー企業から寄付を受けてきましたが(感謝します!)、今後は政府機関、人道支援NGO、公共交通機関など、OSMのエコシステムに携わるその他の分野からの寄付を増やし、収入源の市場循環への依存度を下げる必要があります。

また、帰属表示(Attribution)も重要な課題です。これは単なる対面を保つためではなく、地図の改善につながる好循環を生み出すためです。  著作権ページ はウェブサイトで最もアクセス数の多いページですが、改修が求められています。単なる法的要件に留まらず、新規の寄付者や投稿者を呼び込むツールに変身させる必要があります。

昨年、イスラエルとウクライナでの大規模な荒らし行為が発生しました。当面の対処はできましたが、根本的な対策が必要です。投稿データがAPIに流れ込む前に適切に審査できれば、データの質が向上し、脆弱性を解消できます。迷惑メールフィルタのように、DWGがルールを設定し、自動審査エンジンを構築するのが理想的です。もちろん大規模なエンジニアリングプロジェクトとなり、慎重な計画が求められます。

私たちの長年の取り組みの1つに、運用の信頼性向上があります。少しずつ様々な改善を重ねることで、単一の障害によるリスクを低減することができます。  興味があれば、未解決のチケット の解決にご協力ください。

過去数年、私はOSMFに積極的な人材採用を提案してきました。十分な資金があれば、12人のスタッフを雇うことができます。運営やプロジェクトの管理は、ボランティアだけでは手に余る作業量です。OSMFの専任理事の採用を目指し、このようなアイデアを具体化したいと考えています。

これらの目標を阻んでいるのは、ビジョンや才能の欠如ではなく、人手と時間の不足です。実現に向けて力を貸していただける方は、ぜひご寄付あるいはワーキンググループへのご参加をご検討ください。

Mateusz

OSMF理事に就任して1年が経ち、これまでに合計390時間をOSMF関連の業務に費やしてきました。最近では予算策定の議論に時間を費やしましたが、それ以前にはOpenStreetMapの帰属表示の徹底、次回のState of the Map Europeの準備、ワーキンググループとの連携、戦略計画へのコミュニティフィードバックの反映、コミュニティ全体、作業部会、会員との様々なコミュニケーション、多くの討論と会議にも携わってきました。

現在は、今年度の予算プロセスを振り返り、来年度にどのように改善すべきかを検討中です。
また、ライセンス上求められているOpenStreetMapの帰属表示を促進する取り組みを続けていきます。
さらに、OSMFの資金がどのように使われているか、そしてより多くの資金を得られた場合にどのように使われるかを明確にし、コミュニティにわかりやすく伝えるとともに、潜在的な寄付者に対しても適切な資金の使途を示し、寄付へとつなげていきたいと考えています。

最後になりましたが、すべてのマッパー、ワーキンググループやその他の形でお手伝いいただいている皆さま、寄付をしてくださった皆さま、OpenStreetMapのデータ編集や利用を容易にしてくれるさまざまなソフトウェアをリリースしてくれた皆さま、そしてOpenStreetMapデータを興味深く有益な形で活用してくれる皆さまに、心よりお礼を申し上げます。

Roland

過去数年、財団のボランティアは、安定したプラットフォームの維持と並行して、長年の宿題となっていたソフトウェア開発をこなすことが求められてきました。  osm.org でのベクトルタイルがその一例で、もはや夢物語ではなく、現在進行中の作業になっています。

理事会の役割は、これらの目標を達成するための資金調達にあります。昨年のAllan MustardさんによるState of the Map Europe の基調講演では、これまでの取り組みと今後の課題が的確に示されました。

理事会は、慈善団体への寄付に慣れた人々にも納得いただけるように、財務を体系的に整備する予定です。そうすれば、財団の財務は過去に比べてはるかに透明性の高いものとなります。NPO財務の専門家であるHarrisonさんの力をGuillaumeさんが借りられたことを、私は本当に喜ばしく思っています。理事会は予算の策定と予測を行い、作業部会と緊密に連携を取り続けることで、財政の健全性を確保するとともに、作業部会の最大限の貢献を果たせる環境を整備します。

Sarah

OSMFの理事会では年明けから予算と支出について集中的な議論が行われています。戦略計画を推進するために必要なすべての活動に対する資金調達は、2024年も重要な課題になるでしょう。しかし、それ以外にも、財務管理のルール策定、プロジェクト管理体制の整備、請負業者との作業方法の確立など、整備すべきことがあります。昨年から財団のEU移転に向けた実務的な作業を開始しており、今年も継続して取り組む予定です。最後に、OpenStreetMapの20周年を祝う機会として、皆さまにナイロビでのState of the Mapにぜひお越しいただきたいと思います。

進捗、計画、資金状況の確認: 2023年6月OSMF理事会 遠隔対面会議

先週の土曜日、OSM財団理事会は今年2回目となる “screen to screen” ミーティングに参加しました。 私たちは、OpenStreetMapの使命と、すべての人に地図を無償で提供する財団のコアリソースを管理するためにメンバーから託された信頼を糧に、この取り組みに意欲を燃やしています。

私たち理事会がなぜこれほど力を注いでいるのか、そしてこれから何が始まるのかについて共有したいと思います。

screen to screenは、OSMFと私たち理事会の仕事の現状と方向性を一歩引いて評価するために繰り返し行われています。私たちは、新たなアプローチと戦略的計画プロセスの加速について大いに話し合いました。EUへの移転、技術スタッフの増員、EDの役割のような将来の潜在的ニーズ、地域コミュニティの支援など、最優先事項に関して現在進行中の作業を掘り下げました。私たちは、現在の財務状況と短期的に必要とされるリソースについて検討し、今年の予算計画を達成するために50万ポンドを集めるという資金調達計画を再確認しました。

進捗確認

. 私たちは、3月のscreen to screenで2023年のアジェンダ を設定してからの進捗状況を確認しました。これは重要な説明責任です。回答はまちまちでした。実際、多くのことが進んでいますが、遅れている部分もかなりあります。  これらはすべて、私たちの公開アクションアイテム管理用gitlabで確認することが可能です。私たちは3つの方法で効果に取り組むことを決意しました。第一に、どのタスクに優先順位をつけるか。第二に、チームワークです。他の理事とペアを組んでタスクに取り組むことで、負担を分かち合い、お互いのペースを保つことが可能となります。何より、一緒に仕事をする方が楽しく取り掛かれます。第三に、限界を明確に伝えることです。人生にはいろいろなことが起きます。ミーティングを欠席する場合、あるいは他の誰かに仕事を任せる必要がある場合、理事会に伝えることが最低限期待されます。

この点を把握するため、 理事会議事規則 が更新されます。

戦略計画

続いて、戦略計画プロセスに移ります。戦略計画は、OSM財団における日々の業務と意思決定のすべてを導き、調整するための包括的な文書となります。この時点で、戦略計画をオンラインのグローバルコミュニティ向けに翻訳することは難しく、もっとよりよいやり方がある可能性があることを認識しました。理事会からのフィードバックと、ファシリテーターであるAllen Gunn氏の賢明な指導により、私たちは、あらゆる戦術の可能性を議論するのではなく、一般的な目標を明確に伝え、計画の各セクションの動機をより明確に説明するよう、計画のプロセスを方向転換しています。また、私たちは、この計画が生きた文書であるべきであり、今後数年の間に出現する進展に容易に対応できるようにすべきであることに合意しました。私たちは、今後 2ヶ月以内に計画を完成させるべく、草案作成、協議、最終決定のプロセスを加速させています。近日中に詳細を発表する予定です。

戦略的成長

戦略的成長のためにscreenで議論した具体的な戦術には、主要なものがいくつかあります。システム管理者を1人チームに加えることによって、チームのカバー範囲を広げ、インフラの堅牢性を加速させます。  OSM.orgのコーディングプロジェクトをプロジェクト管理する有給の役割に従事することで、マッパーのニーズと開発イノベーションを解き放ちます。ベクトルタイルのインフラを立ち上げることで、多様なマッパーのレンダリングニーズに柔軟に対応します。OSMFのインフラとOSMデータの利用を支える広範なOSMソフトウェアエコシステムに、エンジニアリングコミュニティ開発と助成金を通じて投資します。理事会が設定した戦略をサポートするために、OSMFの執行役員の役割の範囲と適性を調査します。

資金調達

増大するニーズに対応するためには、リソースが必要です。私達はOSMFの財政の調査に時間を費やしました。ここ数年、OSMFはOSMデータの作成と利用に対する要求の高まりに対応するため、その債務が拡大してきました。今年の財務管理戦略は、雨の日に備えて蓄えを残し、収支を均衡させることです。そして今後数年間は、戦略的な成長分野に目を向けながら、非常に的を絞ったスタッフ、インフラ、コミュニティへの投資で成長を維持するために、慎重かつ思慮深く成長するための資金を持ちたいと考えています。それを維持するのに必要な資金があるという確信がないまま、債務の増大にコミットするつもりはありません。

これまでOSMFは、技術インフラに最も多くのリソースを費やしてきました。シニア・サイト・リライアビリティ・エンジニアとiDメインテナーによる献身的なスタッフ・サポートも加わりました。その結果、システムはより安定し、堅牢になり、マッピングツールもより利用しやすくなりました。今年度の予算は、インフラ投資、スタッフ、運営諸経費、予備費を合わせて681,000GBPです。 法人および個人会員からの通常収入との差額は521,000GBP。私たちはこれを資金調達キャンペーン、および”会費” https://join.osmfoundation.org/ の目標として再確認しました。

地図は誰でも無償で編集できますが、無料で作成が可能であることを意味していません。OSMは会費、ギフト、スポンサーシップという形の寄付によって運営されています。 screen to screenでは、数週間前にSotM US、SotM France、SotM Balticsで行われたファンドレイジング・キャンペーンについての素晴らしい会話を振り返りました。私たちは多様な情報源を活用することで資金調達にアプローチしようとしています。これは通常、企業会員と契約して彼らから資金を募ったり、OSMコミュニティや自由でオープンな地図を支持する幅広いインターネットから寄付を募ったりすることを意味します。今年もこの2つを行うとともに、公的資金や民間の慈善事業における他の機会についても調査しています。私たちは7月に個人や団体にお願いにまわる準備を進めています。寄付者として、あるいはあなたのコミュニティでキャンペーンを推進する大使として、私たちはあなたの助けを必要としています。

皆様のご意見をお待ちしております!

OSMF理事会、2023年の最初の3分の1を振り返って

. 理事会メンバーは当年の初めに、私達のこれからの展望について考えをまとめました。それから4ヶ月が経過した今、振り返り、評価すべきことがたくさんでてきました。ここでは、私達一人ひとりの声で、何が起こったのか、これから何が待ち受けているのか、そしてそれらについてどう感じているのかについて、考えを述べたいと思います。

OSMFの活動へのご意見・ご感想をお待ちしております。 直接お問い合わせいただくか、 OSMF会員であれば毎月実施している 月例理事ミーティングにご参加ください。

Arnalie

この新しい役割に就くということは、私にとってはゆっくりとした学びのプロセスでした。最初の3ヶ月はまだ学んでいる最中で、何の仕事もできませんでした(さらに健康上の問題もありました)。新役員の就任プロセスの改善に貢献し、半年または1年ごとの振り返りをOSM Diaryで共有したいと思います。とはいえ、私の優先順位は変わらず、コミュニティの発展とOSMプロジェクトの維持のために、共に働く同僚たちの仕事をサポートしたいと思っています。

より多くの地域支部の設立(Q2優先事項)

  • 地域支部の申請と手続きに関する提案書を作成し、5月末から6月初旬頃までにコミュニティと共有し、フィードバックを得たいと考えています。
  • 地域支部の候補と何度かチャットしました(もしこれを読んで興味を持たれた方は 私までご連絡をお願いします!)
  • また、現在承認されている地域支部との関係も強化したい(LCCWGと調査・協議を行う予定)ですし、地域支部の年次報告についてもまとめ、共有したいです。
  • OSMFワーキンググループのメンバーを含む、OSMF会員の多様化(Q3での優先事項)
  • 財政的な持続可能性と効果的な資金調達の確保
    • 支援的な立場ではありますが、特にアジア地域での資金調達活動の多様化に貢献したい

Craig
理事会における仕事は、効果的に働くために必要なすべてのスキルを身につけるための急な学習曲線からスタートします。次回の役員選挙の前に、理事就任の手続きをアップグレードすることで、より多くのことを得られるでしょう。私のリストにも入れています!

私の主な仕事は、OSMF戦略プランの立案です。Allan Mustardさん、Sarah Hoffmannさんと私という小さなチームで、2021年からの計画を修正・再構築し、10ヶ国語に翻訳し、現在、計画におけるコミュニティ開発部分について広くOSMユーザのコメントを募るキャンペーンを実施しています。

私は、OSMを国連のデジタル公共財の登録に参加させるための、非常に完了的な登録手続きを完了させようとしています。また、OSMFがフルタイムの執行役員を任命するべきかどうかも研究しています。ディスカッション・ペーパーの作成は進んでいますが、まだ発表の段階には至っていません。

また、OSMFが保有する非常に重要かつ複雑な技術面について、多くの情報源から学ぶことに特に力を注いでいます。オペレーションの打ち合わせに参加し、小さなチームで何がなされているかを確認することで、理事の立場から彼らの活動を支援するために必要な事柄を見つけ出そうとしています。

Guillaume

Guillaumeさんは家庭の事情で忙しく、現在OpenStreetMapに参加できていないことを深く反省しています。

Mateusz

メールの返信を準備したり、議論や打ち合わせに参加したりと、様々な細かい活動をしながら、OSMFJの理事がどのように機能しているかを学んでいます。特に戦略的な会議計画やOSMFの選挙で説笑みしたような問題で、今後数ヶ月でより多くのことを達成したいと思っています。特にOverture Foundation/Linux Foundationが公開したデータに関する4月のライセンス問題が解決したことを嬉しく思っています。

Mikel

特に濃密で、生産的でした。OSMFにおける資金調達の優先順位を決め、そのための資金調達担当者を迎え入れ、  そのための資金調達担当者を迎え入れ、資金調達とOSMFの使命や価値観を一致させるためのガイドラインを起草しました。ファンドレイジングはまだまだこれからです。また、理事会のために、コミュニティや組織とのコミュニケーションに多くの時間を費やし、アドバイザリーボード(諮問委員会)を再開させました。特に、OvertureやMap Builderなどの複雑さを理解することに特に興味をいだいています。OSMFの位置づけもよく、良い方向に向かっていると考えています。  最後に、Screen 2 Screen は、目の前にあるすべての仕事を方向付け、それを一本の糸でつなぎ合わせるためにとても有益だったと思います。大変であり、私にとって興奮すると同時に気が遠くなるような気がしないとは言えませんが、私達はそれをやり遂げるための適切な体制を整えています。

Roland

現在のところ、資金調達という課題が明確になっています。OSMFはハードウェアやランニングコストが必要となる規模になり、さらに、最も重要な課題として職員の雇用の問題もあります。これまでは年間約 200,000GBP(あるいはEURかUSD)の収入がありましたが、今後は700,000GBP(あるいはEURかUSD)の予算が必要となることが予想されています。貯蓄があるため緊急度はまだ高くありませんが、本当に大切なことです。

従って、ファンドレイザーとの協業を開始したことは正しい判断です。寄付収入は現在、ほぼ米国中心となっています。歴史的に、収入のほとんどが米国に由来しているため、予想の範囲内ではありますが、資金確保と多様化の正面で、米国以外からの一定程度の貢献が望まれることから、これは課題でもあります。

Sarah

スタートが遅かった分、この2ヶ月で役員会の仕事はかなり激しい動きとなりました。Overture foundationの登場は予定外の出来事で、間違いなく理事会の優先順位に影響を与えました。OSMFの財務状況整理が本格化しています。予算、資金調達やファンドレイジングの方法などについて、実りある議論ができました。その中で何度も出てきたのが、現在ペンディングされているEUへの加盟によってOSMFの協力の場が広がるということです。これは次の四半期の私の優先事項となっています。  戦略計画の更新作業 では、OSMの将来についてコミュニティのかなりのメンバーと話す機会を得ましたが、私はさらに多くの声を聞きたいと考えています。次はマルセイユで開催されるState of the Map Franceでディスカッションセッションを開催する予定です。

OpenStreetMap財団における資金調達のための倫理ガイドライン

2023年、私達OpenStreetMapは、素晴らしいマッピングコミュニティを支えるコアサービスの維持と成長に資金を提供するためのキャンペーンを控えています。これは非常に重要なことであるため、OSMF理事会はマッピングキャンペーンの開催について協議し、有償の支援を受けることを決定しました。 この大きな歩みでは、OSMFの使命と価値観に沿った高い倫理基準で歩を進めることが不可欠です。

理事会は資金調達ガイドラインの草案を作成しました。 そして、作成された資金調達ガイドライン についてコミュニティから意見を公募したいと考えています。観念的なレベルでは、資金調達は以下の主要なポイントによって導かれます。

  • 募金はOSMFの使命を支援するために実施される。
  • 寄付者の希望と意向を尊重しつつ、コミュニティの価値観を守る。
  • 私たちのコミュニケーションは、高水準の誠実さと透明性を遵守する。
  • 募金活動においては、多様なOSMコミュニティの協力と包摂を最も重要とする。
  • 募金活動は効果的に実施・管理する。
  • 私たちのガイドラインは、明確なポリシーに支えられる。

内容を熟読いただき、ご意見がありましたら、フォーラム、コメント欄、または直接理事会までお寄せください。

Overtureプロジェクトの始動に関するOpenStreetMap財団の見解

Overture Maps財団 が始動したことは、オープンな地図データの世界における重要な進展です。Overtureの設立メンバーは、技術業界における影響力が強いリーダーたちであり、多くのリソースをコミットしています。Overtureに関する詳細はまだ不明ですが、OpenStreetMap財団はこのプロジェクトをより詳しく理解しようと関心を寄せています。最善のシナリオで進んだ場合、OpenStreetMapは、データの面でも資金的な面でも、Overtureが今後開発するソフトウェアの恩恵を受けることになるでしょう。しかしながら私達はリスクも認識しており、私達のコミュニティを発展させ、今後の開発と私達のインフラに資金を提供する能力をこれからも強化してゆきます。

OpenStreetMapのデータは、趣味の地図調製者からグローバル企業まで、誰でも利用することができます。私達はOvertureもまた、私達と同様にコミュニティの期待とライセンス条件に従って、同じ道を歩んでくれることを奨励します。データ品質のチェックやデータ統合、スキーマへの調整といった、Overtureが取り組む技術的な問題は、どの地図データプロバイダーにとっても貴重なものです。私達は、あまりにも長い間、それぞれのデータ利用者がこれらの課題に対して個々に取り組んできたことを知っています。これらの問題点を共有の場に持ち出し、ツールをオープンソース化してゆくことで、私達は全員が利益を得ることが可能となります。

Overtureによる発表の後、私達はOvertureの関係者と非公式な会話の場をもち、質問をし、さらに知見を深めました。特に、Overtureで行われる作業領域がOpenStreetMapとどのようにオーバーラップするか、そしてOpenStreetMapのメンバー企業の将来的な関わり方について質問しました。回答は有益なものでしたが、疑問がすべて解決されたわけではありません。私達はOvertureに対し、私達のコミュニティと関わり続け、彼らの考える計画を広く共有することを奨励しました。ここでは、非公式の場で議論されたいくつかの論点を共有します。

私達が会話をした誰もが、OvertureはOpenStreetMapに取って代わったり、フォークしたりする意図が無いことを強く主張しました。彼らはOvertureでの作業は、補完することである、と考えています。それぞれ個々の企業はOpenStreetMapと直接作業を続けることを期待しており、経済的な貢献を含め、活動への関与を深める可能性もある、としています。OpenStreetMapに適した地図編集は、OpenStreetMapに対して行われるべきです。このように、OpenStreetMapにおける作業とコミュニティ、双方に対するコミットメントを表明することは、Overtureに参加する企業とLinux Foundationが、財政的な観点でOpenStreetMapを支援することに前向きであることを示すものです。Overtureは小さなグループからスタートし、成長し、細かな点まで多く作業を行ってゆこうと考えています。彼らは、OpenStreetMapの関与は最も高い意味があり、歓迎の意思を表しています。

OpenStreetMapコミュニティは、地理データの多様で複雑な現実を前に、それらを統一化された世界規模のデータセットとして纏め上げるための膨大な知識と経験を有しています。この知識は、自動化のアプローチによって支援されることはあれ、置き換えられることはありません。私達は、コミュニティによって手動されるデータ収集へのアプローとが、あらゆるグローバルな地図の礎であり続けることを確信しています。OpenStreetMapコミュニティの成長と発展はOSMFのミッションであり、これまで以上に重要なものとなります。

私達はOvertureが、当財団およびコミュニティと関係を保ち、そしてOvertureの包括的な戦略検討の一部として当財団とコミュニティを位置づけることを推奨します。良い関わり合いを通して、私達は競合・重複する取り組みを生み出すのではなく、両者ともに、OpenStreetMapの中核を改善し、協力するべき分野を特定することができるようになるでしょう。Overtureの創始者たちがプロジェクトに注いでいたリソース、そしてOpenStreetMapの活動やコミュニティに対して彼らが示すコミットメントは、彼らが優れた地図に価値をおいていること、さらにOpenStreetMapの指名の中核を成す領域への改善の支援となる可能性を示しています。私達は、彼らOvertureが今後OSMF理事メンバーと議論を交わし、継続的なコミュニケーションや意思決定、協力関係、そして支援を促進する最善の方法を探ることを歓迎しています。